本学神社

国学四大人と言われる、本居宣長、賀茂真淵、荷田春満、平田篤胤を祀った神社です

この神社創建については島崎藤村の小説「夜明け前」に詳細に記述されています

平成30年3月24日 創建150年祭が執り行われました

150年祭

本学神社創建150年祭によせて

                   平澤範明

 明治元年(1868)、この山吹の地(条山)に本学神社が建立され、150年の歳月が過ぎました。その150年祭開催のご通知を頂き、国学のことや本学神社の経緯を知るために島崎藤村の「夜明け前」を読んでみました。

 300年続いた徳川幕藩体制、鎖国政策、士農工商の身分制度などの封建社会が崩壊し、明治維新につながる過程が、馬籠宿、本陣のあるじの目を通して描かれています。当時伊那谷は御坂峠、清内路峠を超えて中津川方面より人・物の往来がありました。国学という思想もこの峠を越えて入ってきました。その考えに共鳴する先進的な考えを持つ人物が伊那谷に多数いました。座光寺の北原稲雄、伴野の松尾多勢子、山吹には片桐春一など、国学を学ぶ運動が活発であったそうです。 そんな機運の中、山吹の片桐春一を中心とする平田門人が特に熱心で、国学四大人の御霊を祀る社殿を創立するに至ったと記述されています。この国学の考えは当時幕府の崩壊につながる勤皇思想となり、武士を中心とした幕藩体制から天皇に忠義を尽くす体制に変革すべきという考えを広めました。仏教が伝わる前の古代、古事記や万葉の時代に戻るべきとの考えから、廃仏毀釈の運動にもつながったと言われます。

 歴史を紐解くと、深い長い歴史の上に立って本学神社が今日に至っていることに感慨を深くしました。 今後とも末永く、本学神社が受験生からは学問の神様として、地域の人々からは心のふるさととして愛され続けることを祈念いたします。